中国で日本のスマホが使える海外SIMはこれだ!中国のSIMの悩みをすべて解決!
中国でいつものスマホを使いたい!
しかし、中国では通称グレートファイアウォールと呼ばれるインターネット情報閲覧システム、金盾(きんじゅん)のファイアウォール機能があって、Googleやtwitter、インスタ、YouTube、暗号化された多くのブログなどは一切閲覧することができません。
中国在住者はVPN(Virtual Private Network)と呼ばれる、プライベートネットワークを構築することで、 ファイアウォールをかいくぐっています(中国当局は2017年1月にVPN規制強化することを発表しています)。
しかし、短期旅行者や通信関係に詳しくない方にとって、VPNシステムを構築するのは困難ですよね。そこで役に立つのが、中国国外の通信会社SIMの海外ローミングサービスです。この海外ローミングサービスを使うと、現状では中国キャリアの通信網を使いながらもグレートファイアウォールに引っかからずに、日本にいるのと同じようにスマホを使うことができます。
じゃあ、どのSIMでも使えるのでしょうか?残念ながら、そんなうまい話はありません。今度は中国キャリアの周波数やスマホの対応周波数など、いくつかの障壁があります。
この障壁をはっきりさせたいと思い、今回の記事では中国本土の通信事情と現地で使えるSIMについてまとめました。中国へ行く可能性のある方、ご参考にどうぞ。
中国本土の通信事情(3大キャリア)
中国には3大モバイルキャリアと呼ばれる、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国電信(チャイナ・テレコム)があります。
必ずしも繋がりやすさ=シェアではないと思いますが、よく使われているキャリアはきっとアンテナやサポートも多く、つながりやすいはずです。
まずは携帯電話契約総数(2017年10月末時点)。
中国移動通信(China Mobile)が圧倒的なシェアを持っていますね。
中国移动:4G用户已超5.8亿 5月单月增加近1000万_科技_腾讯网
続いて、日本では主流となっているLTEと呼ばれる4G通信(2017年5月末時点)。
これも中国移動通信が圧倒的なシェアを持っていますね。契約総数よりも比率が高いということは、中国移動の4G移行が順調なんでしょう。
blog of mobile » Blog Archive » 中国の携帯電話契約件数、近く14億件を突破へ
この3大キャリアを日本に置き換えると、中国移動がドコモ、中国聯通と中国電信がauとソフトバンクでしょうか。ドコモが46%程なので、中国移動の68%は中国国内でかなりのシェアを獲得しているということですね。シェアの点からは中国移動の電波の繋がりやすさが一番期待できそうです。
携帯電話・PHS契約数|一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)
中国3大キャリアの適用Band
スマホに詳しくない方は、ここから何のことを言っているのかわからないかもしれませんが、重要なことなのでまとめます。
ここで言う「Band」とは通信(LTEなど)に使われる周波数帯のことで、各キャリアごとに使用できるBandが割り当てられています。
キャリアの通信を使うには、このBandを掴めるスマホを準備する必要があります。
さて、3大キャリアのBandを見てみましょう。参考として、日本3社のLTEBandを対比用に並べました。
適用Band | 中国移動 China Mobile |
中国聯通 China Unicom |
中国電信 China Telecom |
D社 | A社 | S社 |
---|---|---|---|---|---|---|
Band0 | - | - | 2G(CDMA1x) | - | - | - |
Band1 | - | 3G/4G(FD) | 4G(FD) | 〇 | 〇 | 〇 |
Band2 | 2G(GSM) | 2G(GSM) | - | - | - | - |
Band3 | 2G(GSM) | 2G/3G/4G(FD) | 4G(FD) | 〇 | - | 〇 |
Band8 | 2G(GSM) | 2G(GSM)/3G | - | - | - | 〇 |
Band11 | - | - | - | - | 〇 | 〇 |
Band18 | - | - | - | - | 〇 | - |
Band19 | - | - | - | 〇 | - | - |
Band21 | - | - | - | 〇 | - | - |
Band26 | - | - | - | - | - | - |
Band28 | - | - | - | 〇 | 〇 | 〇 |
Band34 | 3G | - | - | - | - | - |
Band38 | 4G(TD) | - | 4G(TD) | - | - | - |
Band39 | 3G/4G(TD) | - | - | - | - | - |
Band40 | 4G(TD) | 4G(TD) | 4G(TD) | - | - | - |
Band41 | 4G(TD) | 4G(TD) | 4G(TD) | - | 〇 | 〇 |
なんと、最も中国でシェアを持っている中国移動は世界的に広く使われているBand1とBand3で4G通信はおろか3G通信ができません。2Gは日本で採用されなかったため、日本製のスマホは使えないことが多いです。
最近のハイグレードなスマホは、グローバルモデルなのでどのBandも問題なく使えることが多いですが、格安スマホを使ってる方は要注意ですね。例えば、ドコモ系MVNOのSIMと一緒に購入したスマホは、中国移動のSIMでは電波を拾わない可能性が高いです。ドコモはBand1,3,19,21,28を使っています。一方で、電波事情だけ見るとソフトバンクは繋がりやすそうですね。
日本で購入したスマホを中国で使う場合、最もキーポイントとなるのは、Band41でしょう。中国ではすべてのキャリアが使えますが、日本ではドコモだけが対応していません。ドコモユーザーは要注意です。
中国で通信(ローミング)ができる海外SIM
どのSIMなら中国でデータ通信ができる?
ここからが本題。中国ではどのSIMを使ったらいいの?
まず、中国でローミングを行えて、日本で買えるSIMは主に以下の2つです。それに、auの世界データ定額も使えますね。
・中国聯通香港製「Mainland China and Hong Kong 7 Days Data SIM」
・au「世界データ定額」
TrueMove H(トゥルームーブH)製「Travel Asia Sim」
タイの通信会社TrueMove H(トゥルームーブH)が販売するツーリストSIM。中国以外に、日本、韓国、香港、マカオ、台湾、シンガポール、インドネシア、など中国を含めた13か国で利用できる。タイ以外の利用者が対象のため、タイでは利用できないので注意。
中国でのローミング先は中国移動(China Mobile)。
中国聯通香港製「Mainland China and Hong Kong 7 Days Data SIM」
中国聯通のグループ会社、中国聯通香港が販売するツーリストSIM。香港と中国で利用可能。
中国でのローミング先は中国聯通(China Unicom)。
au「世界データ定額」
世界163か国でローミングを利用できる、auのオプションサービス。auユーザーなら非常にお得です。
中国でのローミング先は中国聯通(China Unicom)。
詳しくは以下の記事にまとめたのでご覧ください。
これら以外にも中国移動香港製の10日間1.5GBデータプリペイドSIMなどがありますが、上の3つを抑えておけばいいでしょう。
残念ながら、中国電信をローミングできるSIMはないようですが、中国移動と中国聯通のローミングができれば心配ありませんね。
中国でローミングできるSIMの比較
SIM名 | ①True TRAVEL ASIA SIM |
②中国聯通香港 プリペイドSIM |
③au 世界データ定額 |
|
---|---|---|---|---|
販売元(国) | True(タイ) | 中国聯通(香港) | 日本 | |
利用日数 | 8日間 | 7日間 | 24時間毎 | |
利用可能容量 | 4G | 2G | 契約者data量 | |
通信 | データ専用 | データ専用 | データ専用 | |
中国本土での ローミング先 |
中国移動 China Mobile |
中国聯通 China Unicom |
||
適用Band | ||||
Band1 | - | 3G/4G(FD) | ||
Band3 | 2G | 2G/3G/4G(FD) | ||
Band8 | - | 3G | ||
Band34 | 3G | - | ||
Band38 | 4G(TD) | - | ||
Band39 | 3G/4G(TD) | - | ||
Band40 | 4G(TD) | 4G(TD) | ||
Band41 | 4G(TD) | 4G(TD) | ||
中国以外の 利用可能国 |
日本(docomo) 韓国(SK Telecom) 香港(3) 台湾(Chunghwa) シンガポール(Starhub) インドネシア(Indosat) カンボジア マレーシア ミャンマー マカオ(3) フィリピン カタール |
香港 (China Unicom) |
160か国 以上 |
|
Amazon価格 (2017年11月) |
1550円 | 1380円~ | - | |
1泊2日(24時間) | 1550円 | 1380円~ | 0円 | |
2泊3日(48時間) | 980円 | |||
4泊5日(96時間) | 2940円 | |||
6泊7日(144時間) | 4900円 |
一般的に、中国では中国移動が最も繋がりやすいと言われています。ただし、中国移動の電波が悪いところで中国聯通は繋がりやすかったという話もあり、中国移動が絶対ではないようです。どちらも選べるなら、安定の中国移動がいいですね。
①True TRAVEL ASIA SIMは中国移動を使います。一方で、②中国聯通香港プリペイドSIMと③auデータ定額は同じ中国聯通のローミングですので、電波の繋がりやすさは同じです。
繋がりやすさ以外のこの2つのSIMの大きな違いは適用Bandです。ドコモの格安スマホを使っている方は②中国聯通香港プリペイドSIMを使うしかないでしょう。Xperia z5 premiumのようなグローバルモデルのandroidスマホやiPhone6S以降のiPhoneを使用している方は、①~③のどれでも選ぶことができます。
都市部しか行かないのであればどれでもいいと思いますが、世界遺産など地方にも行く可能性のある方は、地方部でも繋がりやすい①True TRAVEL ASIA SIMをお勧めします。
まとめ(対象者)
これら状況をまとめると、各SIMのお勧めの方はこのようになります。
①True TRAVEL ASIA SIM
・グローバルモデルのスマホをお使いの方
・都市部だけでなく、地方部へも行く可能性のある方
・日本で接続確認をしておきたい方(SIMの取り換えに自信のない方)
・中国本土と香港だけでなく、台湾や韓国、マカオへも行く方
・訪問中、データ量を気にせず使いたい方(4GB以内)。
②中国聯通香港プリペイドSIM
・都市部しか行かない方
・行先が中国本土と香港だけの方
・訪問中のデータの使用量が2GB以下の方
③auデータ定額
・2泊3日程度の短期旅行、短期出張の方
・中国本土と香港以外に複数の都市を周遊する方
これらSIMのうち、私が使ってみたいのはデータ量を気にせず使える「True TRAVEL ASIA SIM」です。
近いうちに中国を訪問する予定があるので、auの世界データ定額と使い比べてみようと思います。
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