ANAオープンジョー特典航空券のお勧めな利用方法と教科書にないルール
ANAのマイルの使い道は様々。その中で、最もお得に利用できる特典航空券のルールの一つ、オープンジョー航空券(以下、オープンジョー)についてのお話です。
ANA国際特典航空券はルールが複雑すぎるので、今回は提携会社特典航空券についてまとめました。
ANAのオープンジョー特典航空券の基本
オープンジョー特典航空券は、往路の到着地と復路の出発地が異なる特典航空券です。往路の出発地と復路の到着地が異なることも可能ですが、同一国内であることが必要です。
必要マイルは提携会社特典航空券のゾーン区分
必要マイル
必要マイルは提携会社特典航空券のゾーン区分に従います。
ゾーン区分
ゾーン区分はこちら。
発着地 | Zone | 対象地域 |
---|---|---|
日本 | Zone 1-A Zone 1-B |
日本 |
韓国 | Zone 2 | 韓国 |
アジア 1 | Zone 3 | グアム、台湾、中国、フィリピン、香港、マカオ |
アジア 2 | Zone 4 | 日本、韓国、アジア1を除くアジア |
ハワイ | Zone 5 | ハワイ |
北米 | Zone 6 | アメリカ合衆国、アラスカ、カナダ、メキシコ |
欧州 | Zone 7 | ヨーロッパ全般 |
アフリカ、中東 | Zone 8 | アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、南アフリカ、など |
中南米 | Zone 9 | アルゼンチン、キューバ、コロンビア、ペルー、ブラジル、など |
オセアニア ミクロネシア |
Zone 10 | オーストラリア、ニュージーランド、パラオ、 マリアナ諸島(グアムを除く)、など |
発着地が10か所もあるので、ここでは頻度の多い日本を記載します。
Zone 1-AとZone 1-Bの違い
Zone 1-A:国際線往復の2区間のみ、またはそれに日本国内のみで乗り継ぎをする行程。
Zone 1-B:Zone 1-A以外
*つまり、海外で乗継をする場合は、Zone 1-Bを適用するということです。
乗換え地点の制限は提携会社特典航空券のルールに従う
提携会社特典航空券は出発地/目的地によって、行けないルートがあります。
その行けないルートを知るにはエリアの分類を理解する必要があります。日本はエリア3です。
エリア 1 | 北米・中米・南米、ハワイなど |
---|---|
エリア 2 | 欧州、中東、アフリカなど |
エリア 3 | 日本、韓国、中国、東南アジア、 南アジア、南西太平洋など |
出発地と目的地から行けるエリアはこちら。例えば、アジア周遊の場合は、ヨーロッパやハワイに寄れないことになります。位置関係を考えれば当たり前なのですが、いろいろなところに寄りたい方にとっては制限内でどこまで回れるのか、考えるのも楽しいですね。
目的地 | ||||
---|---|---|---|---|
エリア 1 | エリア 2 | エリア 3 | ||
出発地 | エリア 1 | エリア 2 エリア 3 |
エリア 3 | エリア 2 |
エリア 2 | エリア 3 | エリア 1 エリア 3 |
エリア 1 | |
エリア 3 | エリア 2 | エリア 1 | エリア 1 エリア 2 |
オープンジョーの上手な使い方
オープンジョーはどのように使うのでしょうか。
①一般的な発券方法
日本ーヨーロッパ
よく使われる利用方法は日本発でヨーロッパへ行き、ヨーロッパ内は陸地を電車などで移動する場合ですね。
往路:東京ーフランクフルト
復路:パリー東京
必要マイル:55000マイル
この場合は、Zone1-Aの条件に当てはまるので、エコノミークラスだと往復で55000マイルです。
実際の予約画面
日本ーアジア
アジア地域だと、比較的距離が近いクアラルンプールもいいですね。
往路:東京ーシンガポール
復路:クアラルンプールー東京
必要マイル:35000マイル
マレー半島はマレー鉄道が走っています。マレー鉄道、乗ってみたいです。この記事にかなり魅せられました。
②お勧めしたい発券方法
東京ー香港/シンガポールー東京
①に対して、私がお勧めしたいオープンジョーの利用方法はこちらです。
往路:東京ー香港
復路:シンガポールー東京
必要マイル:27500マイル
提携航空会社のシンガポール航空を選択しました。
ANAのみを使えば、ローシーズンだと23500マイルです。
一方、香港ーシンガポールもまとめて取ると38000マイル。乗継しているため、Zone 1-Bになり、3000マイル多く必要です。
この行程だと、シンガポールまでをすべてANA特典航空券で取るよりも14500マイル少なくなります。提携航空会社を選んでも10500マイル少ないですね。
さらに、東京ー香港間をビジネスにする事もできます。その場合、往復必要マイルの半分を合わせるので37500マイルです。(40000 ÷ 2 + 35000 ÷ 2 )
オープンジョーは片道ビジネスのチケットをお得に取れます。
ANAだけを使えば、片道ビジネスで32500マイルです。
香港からシンガポールはどうするのか?
香港ーシンガポールを切ったオープンジョーが便利なのはわかりましたが、その区間の航空券はどうしたらいいのでしょうか。
香港を拠点とする航空会社はなんでしょう?もちろん、キャセイパシフィック航空です。せっかくなのでキャセイを使いましょう。
キャセイはワンワールドに加盟しているので、ブリティッシュエアウェイズ(BA)の特典航空券が使えます。
ブリティッシュエアウェイズの国際線特典航空券発券方法はこちらをご覧ください。
実際に検索してみました。香港ーシンガポールは多くのキャセイ便が出ていて、経由便を含めると1日9便。お好きな時間に飛ぶことができます。
必要マイルはエコノミークラスで10000Avios、ビジネスクラスでも20000Avios。BAのAviosは1.5円程度で購入可能なので、マイルを購入したとしても2万円以下で好きな便に乗れます。
③その他の例
②以外の例として、東京ー韓国(仁川)/香港ー東京は発券できませんが、東京ー台北/香港ー東京は発券可能です。台北ー香港間はBAの4500Aviosで発券できます。さらにこの区間にはファーストクラスの設定があるB777も飛んでいます。2時間弱のフライトとはいえ、18000Aviosでファーストクラスを体験できるのも悪くないですね。
なぜ、キャセイを勧めるのか。
それは、キャセイのラウンジが超豪華だからです。キャセイラウンジはワンワールドのエメラルド会員または、JGC保有者、ビジネスクラス搭乗者が利用可能です。上級会員の資格がなければ、BAの特典航空券を使ってビジネスクラスに搭乗すればいいんですね。
私の記事ではまだアライバルラウンジしかまとめていませんが、
私が愛読させていただいているのりさんのブログで、キャセイのラウンジを詳しく解説されていますのでご覧ください。
ANAオープンジョー航空券を発行する上での注意点(ANA公式ページにないルール)
便利なオープンジョー発券ですが、発行する上での注意点があります。
それは、搭乗する区間よりも地上移動の区間を短くしなくてはいけないということです。
これは少しわかりにくいので、例で示します。
発券可能な例
往路:東京ー香港(1823マイル)
地上移動:香港ーシンガポール(1593マイル)
復路:シンガポールー東京(3312マイル)
東京ー香港(1823マイル) > 香港ーシンガポール(1593マイル)
わかりやすくするため、図にしてみました。
東京から香港までのフライトは1823マイル、赤矢印の香港からシンガポールまでの地上移動は1593マイルなので、地上移動のほうが少ないため発券OKです。
発券不可能な例
往路:関空ー香港(1548マイル)
地上移動:香港ーシンガポール(1593マイル)
復路①:シンガポールー東京(3312マイル)
復路②:東京ー関空
関空ー香港(1548マイル) < 香港ーシンガポール(1593マイル)
関空から香港までのフライトは1548マイル、赤矢印の香港からシンガポールまでの地上移動は1593マイルなので、地上移動のほうが多くなり、発券できません。
なお、関空から出国する場合は上記ルートでのオープンジョー発券ができませんが、行きを関空発東京経由香港行き、帰りをシンガポール発関空行きのチケットであれば、発券可能です。
オープンジョーの発券ルール、お分かりいただいたでしょうか。
私が探した限り、このルールはHP上には見つけられませんでした。じゃあなぜ私がこのルールがわかったかというと、実際にやってみて発券できなかったので、予約センターへ電話して問い合わせたからです。予約センターでもすぐにわからなかったため、折り返し電話をいただきました。
まとめ
せっかく獲得できた特典航空券。便利に使いたいですよね。
一般的な航空券を購入する方にとってなじみのないオープンジョー。ANAのオープンジョーをまとめると、このようなルールです。
〇基本的なルールは提携会社特典航空券のルールに従う。
〇発券可能なエリアは決められていて、エリア1~3に従う。
特典航空券発券にせっかく同じマイル(Avios)数を使うなら、お得にちょっとリッチな旅行を楽しみましょう。
私のANAマイルは陸マイル活動で貯めました。
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